建て替えルート 1 / 4 本目
建て替えの費用2026|解体・仮住まい込みの総額を30坪で試算
建て替えの費用は、建物代のほかに解体・地盤調査・仮住まい・2回の引っ越し・登記がかかります。木造30坪をモデルに、国の最新統計と相場から本当の総額を表にしました。年末に解体するときの固定資産税と、リノベとの分かれ目も載せています。
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ハウスメーカーの見積もりには「本体2,500万円」と書いてある。でも、今の家を壊すお金も、工事中に住む部屋の家賃も載っていない。
結局、全部でいくら用意すればいいのか。ここで手が止まりますよね。
この記事でわかること
- 木造30坪の建て替えで、建物代のほかにいくら足されるかがわかる
- 年末に家を壊すと固定資産税が上がる理由と、その避け方がわかる
- 建て替えとリノベ、自分の家がどちらに近いかを判定できる
この記事の結論
建て替えには建物代のほかに、木造30坪でおよそ220万〜410万円が上乗せされます。
- 見積もりをこれから頼むなら → 解体・地盤・仮住まい・引っ越しを入れた「総額」で出してもらう
- 解体が年末にかかりそうなら → 解体日と着工日を、1月1日をまたぐかどうかで決める
- 建て替えるか迷っているなら → 築年数より先に、道路と耐震診断を確かめる
結論から言うと、国の統計では建て替えに使ったお金の中央値は4,000万円です。そこに解体や仮住まいが足されます。
なので「建物の見積もり+数百万円」を、最初から財布に入れておく。これだけで計画が崩れにくくなります。

見積もりは「建物だけ」と「全部込み」の2種類を出してもらうといいですよ。比べやすくなりますし、抜けている項目もすぐ分かります。
この記事の目次
建て替えの費用、みんな結局いくら払ってる?
平均は6,135万円、まん中の人は4,000万円です。
国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査」(2026年7月17日公表)を加工して作成しました。対象は2024年4月〜2025年3月に建て替えた世帯です。
| 項目(注文住宅・建て替え) | 数字 |
|---|---|
| 住宅建築資金の平均 | 6,135万円 |
| 住宅建築資金の中央値 | 4,000万円 |
| 自己資金の割合(平均) | 51.5% |
| 住宅ローンがある世帯 | 42.5%(新築は79.4%) |
| 延べ床面積 | 146.1㎡ → 130.7㎡ |
| 前の家に住んでいた年数 | 平均35.3年 |
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平均は、一部の高額な家に引っ張られます。自分の目安にするなら、中央値のほうが近いです。
調べていて目を引いたのは、ローンを組んだ人が半分以下という点でした。前の家に35年住んだ世帯が多く、貯金や退職金で払う人が多いと読めます。親の家を建て替える50代の方には、身近な数字だと思います。
ひとつ注意があります。この「住宅建築資金」は建物にかかったお金の総額で、解体費や仮住まい代が入っているかは調査に書かれていません。この記事では、ここに「足す」形で計算します。
見積書に載らないお金は?木造30坪の総額表
建物代とは別に、およそ220万〜410万円を見ておきます。
モデルは「木造30坪(約99㎡)、工期8か月、三大都市圏」。2026年10月19日時点の数字で試算しました。
| 費用 | 目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 解体(木造) | 120万〜150万円 | ミツモア・ノムコムの解体費用の解説(坪4万〜5万円、30坪120万〜150万円。2024年6月更新) |
| 地盤調査(SWS) | 5万〜10万円 | 民間相場 |
| 地盤改良(必要なとき) | 30万〜150万円 | 民間相場 |
| 仮住まいの家賃 | 約67万円(8.3万円×8か月) | 国交省調査の家賃平均 |
| 敷金・礼金 | 約17万円(各1か月) | 国交省調査 |
| 引っ越し2回 | 約14万〜17.5万円(通常期70,000円〜繁忙期102,715円、2026年10月19日時点) | 引越し侍の数字 |
| 滅失登記の税金 | 0円(報酬は別) | 法務局の記載例 |
| 請負契約書の印紙 | 1万円(1,000万円超5,000万円以下) | 国税庁 |
| 保存登記・不動産取得税 | 評価額しだい | 国税庁・都道府県 |
| 補助金(条件つき) | −20万円 | みらいエコ住宅2026事業 |
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選び方の基準:公的な統計で置ける数字は統計を、公式の単価がない解体・地盤・引っ越しは民間の相場の幅を使いました。1点の金額では言い切らず、幅で示しています。
幅がいちばん大きいのは地盤改良です。住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準(第4条)は、原則として「地盤調査」を求めています。2階建て以下の木造戸建ては、現地調査チェックシートで不要と認められれば例外です。
SWS(スクリューウエイト貫入試験。旧名スウェーデン式サウンディング。細い鉄の棒を地面に回し入れて固さを測る調査)は、その方法の一つです。SWSで行うときは、建物の4隅付近を含めて4点以上が原則。改良が要るかどうかは、この調査の結果しだいです。
これ、建物の見積もりに入っていることもある?

解体や地盤改良を見積もりに入れてくれる会社もありますよ。「この金額に解体と地盤は入っていますか」と一言聞いておくと、二重に数えずにすみます。
木造30坪の解体費はいくら?高くなるのはどんな家?
解体費は面積だけで決まりません。家の「まわり」と「中身」で増えます。
あなたの家に、次のどれかが当てはまれば、相場の上のほうを見ておきます。
- 建物そのもの(木造なら坪4万〜5万円が民間の解説での目安。2024年6月更新)
- ブロック塀・庭木・物置
- 家の中に残った家具や家電
- 前の道路が狭く、重機が入りにくい
- アスベスト(石綿)の調査と、見つかったときの除去
30坪の木造なら、ミツモアとノムコムの解説(2024年6月更新)はどちらも120万〜150万円を目安にしています。見積書では、「建物以外」がどこまで入っているかを見てください。
「昨年の我が家の例では、50坪築50年木造平屋と、20mのブロック塀、数メートルの庭木を解体処分し、整地までしておよそ300万でした。」
Yahoo!知恵袋の回答(2023年7月)
「300万円の解体費用に、プラス家の中のものの処分費用は別途になり50万円くらいがプラスされます。」
Yahoo!知恵袋の回答(2025年4月)
もうひとつ、地味に見落としがちな点があります。30坪は約99㎡なので、「80㎡以上」の線を越えるんです。
| 決まり | 30坪の家だと | 誰がする |
|---|---|---|
| 建設リサイクル法の届出 | 対象(着工の7日前まで) | 発注者(業者に委任できる) |
| 石綿の事前調査 | 規模に関係なく必要 | 有資格の調査者 |
| 石綿の調査結果の報告 | 対象(「なし」でも報告) | 施工業者 |
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2023年10月以降の解体では、事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」(国の講習を修了した調査の専門家)が行うことになっています。見積もりに調査費が入っているか、見ておくと安心です。

家の中の物は、解体の前に少しずつ減らしておくといいですよ。処分費は量で決まるので、売れる家電や家具を先に手放すほど軽くなります。
建て替え中の仮住まいと引っ越し、いくら見ておく?
仮住まいと引っ越しで、ざっと100万円前後です。
| 項目 | 8か月の工期での目安 |
|---|---|
| 家賃(三大都市圏の平均 83,381円/月) | 約67万円 |
| 敷金・礼金(各1か月) | 約17万円 |
| 引っ越し1回目(自宅→仮住まい) | 約7万円(通常期・3〜4人家族) |
| 引っ越し2回目(仮住まい→新居) | 約7万〜10万円(3・4月は高め) |
| 合計 | 約98万〜101万円 |
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家賃は国交省の調査で、三大都市圏の民間賃貸に新しく入った世帯の平均です。地方なら下がります。
逆に、短い期間だけ貸す部屋や家具付きの部屋は割高になりがちです。
引っ越し代は、引越し侍の利用者アンケート(過去4年分)から取りました。15km未満の通常期で、3人家族70,000円、4人家族72,800円です。

「我が家の場合マンションで6ヶ月、引越し費用等を含めて仮住まい関係は80万程度です。」
Yahoo!知恵袋の回答(2023年9月)
ここで一番効くのは、2回目の引っ越しを3・4月に当てないこと。これだけで1回3万円ほど変わります。完成時期を決めるときに、引き渡し日も一緒に相談しておきましょう。
解体したら滅失登記と固定資産税、何をいつやる?
家を壊したら1か月以内に滅失登記。1月1日をまたぐ工程は、先に区役所・市役所へ相談します。
まずは登記から。滅失登記(建物がなくなったことを登録する手続き)は、不動産登記法57条で「滅失の日から一月以内」と決まっています。怠ると10万円以下の過料(行政上のペナルティのお金)があります。
本人でも申請できます。そろえる物は2つです。
- 解体業者が作る「建物滅失証明書」
- 印鑑証明書
これを法務局へ出します。法務局の記載例には登録免許税の欄がなく、税金はかからない扱いです(細かくは法務局で確認できます)。
ややこしいのは固定資産税のほうです。
| 1月1日の土地の状態 | 土地の固定資産税 |
|---|---|
| 住宅が建っている | 200㎡まで評価額の1/6で計算 |
| 住宅がない(更地) | 原則、特例から外れる |
| 建て替え中で要件を満たす(23区) | 特例が続く(翌年1月31日までに申告) |
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東京23区の要件は、1月1日に新築工事に着手していることなどです。地鎮祭や地盤改良、地縄張り(建物の位置を縄で地面に示すこと)は「着手」に入りません。要件は市町村ごとに違います。

年末に壊して春に着工、という流れはよくあるので、工程表ができたら役所の資産税の窓口で一度確認しておくといいですよ。
新しい家が建ったら、今度は1か月以内に表題登記(新しい建物を登録する手続き)です。所有権保存登記の税率は、2027年3月31日までの新築なら1,000分の1.5に軽くなっています。
建て替えとリノベ、うちはどっち?分かれ目は道路と築年数
最初に見るのは築年数ではなく道路。次に着工年、最後は耐震診断で決めます。
なぜ道路が先か。建築基準法43条で、敷地は道路に2m以上接していないと新しい家を建てられないからです。あなたの家がここで引っかかるなら、建て替えはできません。リノベを軸に考えます。
道路をクリアしたら、次は着工年です。分かれ目は2つあります。
- 1981年5月以前の着工(旧耐震=古い耐震基準)
- 2000年以前の着工
能登半島地震の調査では、この区切りで木造の倒れ方に大きな差が出ました。
| 木造住宅の建築時期 | 倒壊・崩壊した割合(能登半島地震の調査) |
|---|---|
| 1981年5月以前(旧耐震) | 19.4% |
| 1981年6月〜2000年 | 5.4% |
| 2000年以降 | 0.7% |
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一つの地域を丸ごと調べた結果なので、どの家も同じとは言えません。それでも傾向ははっきりしています。
国交省も旧耐震の家には「まずは、耐震診断を実施し」、足りなければ改修か建て替えを検討するよう案内しています。個人的には、築年数だけで決めず、診断の結果と見積もりを並べてから決めるのが一番納得しやすい順番だと考えています。
建て替えると、今より狭くなるって本当?
国の調査では、建て替えで延べ床面積は平均146.1㎡から130.7㎡になっています。前の道路が狭いと、セットバック(道路の幅を広げるために敷地を下げること)で敷地がさらに減ります。
広さを残したい人は、リノベの見積もりも並べておくと比べやすいです。
建て替えに補助金は使える?2026年10月時点の状況
長期優良住宅で、子育て世帯か若者夫婦世帯なら、解体の加算20万円をまだ使える可能性があります。
| みらいエコ住宅2026事業(新築・5〜8地域) | 補助額 | 古家を解体した加算 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 110万円 | なし |
| 長期優良住宅 | 75万円 | +20万円 |
| ZEH水準住宅 | 35万円 | +20万円(注文住宅は受付終了) |
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2026年10月19日時点で、長期優良住宅の受付は12月31日まで。ただし予算の上限に達した時点で終わります。注文住宅のZEH水準は、9月30日で受付を終えています。
加算の条件は、2025年11月28日以降に解体が終わっていることです。うれしいのは、本人か親族が持っている住宅なら対象になる点。親の家を子が建て替える場合にも使えます。
一方で、次のものは対象外です。
- 登記されていない建物
- 倉庫・車庫
後継事業は、まだ概算要求の段階です。国交省は2026年8月27日公表の2027年度概算要求で「みらいエコ住宅2027事業」(一般会計2,000億円+GX債)を求めています。補助額・対象・世帯要件・開始時期は、まだ決まっていません。
よくある質問
Q. 建て替えの総額は、平均でいくらですか?
令和7年度の国の調査で、建物にかかった資金は平均6,135万円、中央値4,000万円です。ここに解体・仮住まい・引っ越しなどの220万〜410万円ほどを足して考えます。
Q. 滅失登記は自分でできますか?
できます。解体業者が作る建物滅失証明書と印鑑証明書を用意して、法務局に申請します。業者の会社法人等番号を書けば、印鑑証明書は省けます。期限は解体から1か月です。
Q. 年末に家を壊すと、税金は上がりますか?
1月1日に家がない土地は、原則として固定資産税の軽減(評価額の1/6)から外れます。ただ、1月1日までに着工しているなどの要件を満たせば続く自治体があります。工程が決まったら、役所の資産税の窓口で確認しておくと安心です。
次にやること
① 今の家が道路に2m以上接しているか、着工が何年かを、登記簿や建築確認の書類で確かめる
→ ② 解体・地盤・仮住まい・引っ越しを含めた「全部込み」の見積もりを、2〜3社に頼む
→ ③ 解体日・着工日・1月1日・補助金の締切を1枚の工程表に並べて、役所に相談する
この記事のまとめ
- 建て替えに使った資金は、最新の国の調査で中央値4,000万円
- 木造30坪なら、建物代の外におよそ220万〜410万円が上乗せされる
- 30坪の解体は80㎡を超えるので、届出と石綿の報告が必要になる
- 年末に壊すときは、1月1日の固定資産税の扱いを先に確認する
- 建て替えかリノベかは、道路・着工年・耐震診断の順で決める
まずは今週、家の書類を引っぱり出して「着工した年」を確かめてみてください。そこから、あなたの家の進む道が見えてきます。
出典
- 令和7年度住宅市場動向調査の結果を公表(国土交通省) 2026-10-19 閲覧
- 令和7年度 住宅市場動向調査 報告書(国土交通省 住宅局) 2026-10-19 閲覧
- 不動産登記法 第57条(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-19 閲覧
- 不動産登記法 第164条(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-19 閲覧
- 申請書提出前のチェックリスト(建物滅失用)(法務局) 2026-10-19 閲覧
- 建物滅失登記 記載例(法務局) 2026-10-19 閲覧
- No.7191 登録免許税の税額表(国税庁) 2026-10-19 閲覧
- No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(国税庁) 2026-10-19 閲覧
- 不動産取得税のあらまし(令和8年4月)(和歌山県) 2026-10-19 閲覧
- 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)(東京都主税局) 2026-10-19 閲覧
- 住宅を建て替える土地の特例措置のご案内(東京都主税局) 2026-10-19 閲覧
- 建設リサイクル法による届出について(杉並区) 2026-10-19 閲覧
- 石綿事前調査結果の報告制度(報道発表)(環境省・厚生労働省) 2026-10-19 閲覧
- 令和5年10月1日から解体工事等の事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」が行う必要があります(岡山労働局) 2026-10-19 閲覧
- 住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準(国土交通省) 2026-10-19 閲覧
- 令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 中間とりまとめ(国土交通省) 2026-10-19 閲覧
- 住宅・建築物の耐震化について(国土交通省) 2026-10-19 閲覧
- 戸建住宅の耐震化(東京都耐震ポータルサイト) 2026-10-19 閲覧
- 建築基準法 第43条(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-19 閲覧
- みらいエコ住宅2026事業 チラシ(新築 5〜8地域)(国土交通省・環境省) 2026-10-19 閲覧
- みらいエコ住宅2026事業 よくあるご質問(世帯要件・古家除却)(みらいエコ住宅2026事業事務局) 2026-10-19 閲覧
- みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省) 2026-10-19 閲覧
- 国交省 2027年度概算要求(みらいエコ住宅2027事業)(新建ハウジング) 2026-10-19 閲覧
- 家族の引越し費用・料金相場(引越し侍) 2026-10-19 閲覧
- 家の解体費用はいくら?坪単価・総額・工事内容ごとに大きく変動!安く抑える方法も紹介(ミツモア) 2026-10-19 閲覧
- 家の解体費用はいくらかかる?相場や使える補助金、ローンを紹介(野村不動産ソリューションズ(ノムコム)) 2026-10-19 閲覧
- 古い家を壊して4LDKを建てる費用の質問(解体費・家財処分費・総額イメージの回答)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-19 閲覧
- 解体費込みで2,000万円以下で建て替えられるかの質問(解体実例の回答)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-19 閲覧
- 建て替え中の仮住まいの探し方の質問(仮住まい費用の回答)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-19 閲覧
