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A.C.C.定例勉強会レポート
「木材の水中乾燥の実際」
― 木は本当に水中で乾燥するの? ―

今回、お出で頂いた講師の方々はNPO法人「甲賀 森と水の会」に所属し、建築士の川端さん、大工さんの宮内さんはそれぞれ副代表です。

この会の代表の定成先生はポリテクカレッジ滋賀の教授で今回の「水中乾燥」(水中処理)の実験から実践までを指揮していらっしゃいます。
伐採後の丸太を筏に組んで川で搬送したり、割れや腐りを少なくするために水の中につけたりと丸太と水は近いところにありました。伊勢神宮で使用される桧は水中乾燥されています。(伊勢の山田工作所)それだけ水中乾燥と良質材との関係はありそうです。

NPO法人「甲賀 森と水の会」では近くの貯水場を借りて約370本の杉の丸太を入れて観測を続けています。
丸太を水につけると丸太の中に水が浸透してくる。その圧力で樹液が外に出て行く。木の組織の中に「マルゴ」と呼ばれる部分が水分の流れを遅くしていて、水中にいるバクテリアがその分を食べてくれる。地上での乾燥が速いのはそれが要因のようです。乾燥のスピードが速くなるということは表面と内部の乾燥時間の差がなくなり、乾燥割れが少なくなると思われる。
建築士の川端さんは8月にこの「水中乾燥材」を使用した住まいの現場を着工予定です。
水中乾燥後に「燻煙処理」(以前にACCの勉強会でも行ないました。)した材料の構造材で板倉構法の住まいです。初期剛性の取れないこの構法をあわせ土台、あわせ梁(昔の長押の発想。)でつくり、限界耐力で計算しています。

大工の宮内さんは御施主さんには割れない木材を提供したい。 「木は割れる。」と言うのは私達プロの逃げのようだとも言う。その為には「水中乾燥」と燻煙処理は欠かせないともおっしゃいます。
動物も住めない様になってしまった山に少しでもお金が行くようにしたい。その為には県産材を多様することと熱く話す。
最後に「日本人は今までの日本の文化(木の文化。構法の文化。住まいの文化。)を台無しにした。」そして「今、落とし前をつけなくては。」と締めくくった。



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