こだわりの家ルート 2 / 6 本目
狭小地(15坪・20坪)に3階建てはいくら?建ぺい率・容積率の見方
15坪・20坪の狭い土地に3階建てを建てたい人向けに、総額の目安、3階建てで費用が上がる理由、建ぺい率と容積率から「何㎡の家が建つか」の計算、都市計画図で用途地域を調べる手順をまとめました。
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駅に近い15坪の売り土地を見つけた。安いのはうれしい。でも「ここに家族4人の家なんて建つの?」と手が止まる。
不動産屋さんの「3階建てなら大丈夫ですよ」も、本当かどうか自分では確かめられませんよね。
この記事でわかること
- 15坪・20坪の土地で、何㎡の家が建つかを自分で計算できる
- 3階建てで建物代が上がる理由と、見積もりで見る所がわかる
- 自治体の都市計画図で、土地のルールを調べる手順がわかる
この記事の結論
狭い土地は土地代が下がるぶん、総額は抑えやすいです。ただし建物の1㎡あたりの値段は上がりやすくなります。まず土地のルールを調べ、建つ広さを自分で出しましょう。
- まずやること → 候補地の住所で、自治体の都市計画図を見る
- 次にやること → 前の道の幅を測り、延床面積延床面積1階・2階などすべての階の床の広さを足した面積。家の大きさの目安になります。(全部の階の床面積を足した広さ)の上限を計算する
- 最後にやること → 「3階建て・準防火」前提の総額で見積もりを頼む
迷ったら、まずここで相場を見る
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狭い土地は、買う前の下調べで勝負がほぼ決まります。建築会社に会う前に、この記事の計算を一度だけやっておくといいですよ。
この記事の目次
この記事に出てくる言葉 9個・押すと意味が出ます
本文の点線の言葉こんなふうに押すと、ここに意味が出ます。も、押すと意味が出ます。
- フラット35住宅金融支援機構と銀行が組んで出している、35年間ずっと金利が変わらない住宅ローンです。
- 住宅ローン控除住宅ローンを組んで家を買うと、年末のローン残高に応じて、所得税などが一定の期間安くなる制度です。
- 地盤改良地面が弱いときに、家が傾かないように地面を固めたり杭を打ったりする工事。土地を調べてから、必要かどうかが決まります。
- 坪単価建物の値段を広さ(坪)で割ったもの。1坪は約3.3㎡で、畳2枚分くらいです。会社によって「どこまで含めた値段か」が違うので、数字だけを比べると見誤ります。
- 容積率土地の広さに対して、延床面積がどこまで許されるかの割合。何階建てで、どのくらいの広さまで建てられるかがこれで決まります。
- 延床面積1階・2階などすべての階の床の広さを足した面積。家の大きさの目安になります。
- 建ぺい率土地の広さに対して、建物を上から見た面積がどこまで許されるかの割合。土地ごとに決まっていて、好きな大きさの家が建てられるとは限りません。
- 本体工事費家そのものを建てる工事のお金。基礎・柱・屋根・壁・内装などです。カタログの坪単価は、ふつうこの本体だけの数字です。
- 間取り部屋の数や配置のこと。「3LDK」は、部屋3つ+リビング・ダイニング・キッチン、という意味です。
15坪・20坪だと、総額はいくらになる?
首都圏で土地も買って建てた人の平均は、建物と土地を合わせて約6,404万円。狭小地はここから土地代が下がります。
出典は住宅金融支援機構「2025年度フラット35フラット35住宅金融支援機構と銀行が組んで出している、35年間ずっと金利が変わらない住宅ローンです。利用者調査」(2026年7月24日公表)を加工して作成したものです。対象は首都圏の「土地付注文住宅」で、建物の建設費と土地取得費の合計。2026-10-27時点の最新版です。
ただし、これは狭小地の相場ではありません。平均の敷地は152.6㎡(中央値)。15坪(約49.6㎡)の3倍ほどあります。
| 首都圏・土地付注文住宅(2025年度) | 平均 |
|---|---|
| 建物の建設費 | 3,814.3万円 |
| 土地取得費 | 2,590.0万円 |
| 住宅の広さ | 109.4㎡ |
| 毎月の返済予定額 | 17.31万円 |
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建設費を広さで割ると、1㎡あたり約34.9万円(坪にすると約115万円。こちらで計算した値です)。15坪の土地に延床79.3㎡の家を建てるなら、この単価で約2,770万円になります。
狭小地の3階建ては単価が上がりやすいので、この額は「ここから上がる前提の下の線」と見てください。
要するに、狭小地は「土地代は下がる・建物の単価は上がる」。両方を足した総額で比べます。
3階建てだと、なぜ建物代が上がるの?
狭い土地の3階建ては、法律で決まった手間と工事のしにくさが重なって、建物代が上がります。
小さい家なのに、なんで1㎡あたりが高くなるの?
理由は大きく5つ。1つ目と2つ目は法律で決まっていること、残りは土地の形や場所で変わることです。
| 上がる理由 | どうして上がる? | 見積もりで見る所 |
|---|---|---|
| 構造計算 | 木造3階建ては、強さを細かく計算する決まりがある | 構造計算の費用 |
| 防火の仕様 | 準防火地域の3階建ては、燃えにくい家の仕様が要る | 窓・外壁・軒裏 |
| 地盤改良(弱い地盤を補強する工事) | 狭いと大きな機械が入らず、工法が限られる | 地盤改良の工法 |
| 運搬・足場 | 道が狭いと、資材の運び込みや足場に手間がかかる | 運搬費・足場代 |
| 設備の値段 | キッチンやお風呂は、家が小さくても値段が同じ | 設備の一式金額 |
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「準防火地域」は、火事が広がりにくいよう建物の仕様を決めた地域です。都市部の住宅地に多く指定されています。ここの3階建ては、法律上、準耐火建築物(火に一定時間耐えられる家)相当などの性能が必要です。外壁や窓の具体的な仕様は、設計者に確認しておくと安心です。
「これは使う設備関係は建物が大きかろうが小さかろうが値段が変わらないのと、使う部材も小さい分そのまま減るわけではなく」
Yahoo!知恵袋の回答(2024年7月)
狭い土地や3階建てでどれだけ高くなるかは、国の統計がありません。だから見積もりは「本体価格本体工事費家そのものを建てる工事のお金。基礎・柱・屋根・壁・内装などです。カタログの坪単価坪単価建物の値段を広さ(坪)で割ったもの。1坪は約3.3㎡で、畳2枚分くらいです。会社によって「どこまで含めた値段か」が違うので、数字だけを比べると見誤ります。は、ふつうこの本体だけの数字です。」ではなく総額でもらうのが大事です。
個人的には、上の表の右の列をそのまま質問リストにするのがいちばん早いと思います。

見積もりを比べるときは、運搬費や足場代が「別途」になっていないかを見ておくといいですよ。後から増えやすいのはここです。
要するに、狭小地の3階建ては「構造計算・防火・工事の手間」で単価が上がる。総額で見積もりをもらいます。
自分の土地に何㎡の家が建つ?建ぺい率・容積率の計算
土地の広さに「建ぺい率建ぺい率土地の広さに対して、建物を上から見た面積がどこまで許されるかの割合。土地ごとに決まっていて、好きな大きさの家が建てられるとは限りません。」を掛けると1階の広さの上限、「容積率容積率土地の広さに対して、延床面積がどこまで許されるかの割合。何階建てで、どのくらいの広さまで建てられるかがこれで決まります。」を掛けると家全体の広さの上限が出ます。
- 建ぺい率:土地の広さに対して、建物を真上から見た広さ(建築面積)を何%まで使えるか
- 容積率:土地の広さに対して、全部の階の床面積を足した広さ(延床面積)を何%まで使えるか
よくある「建ぺい率60%・容積率200%」の住宅地で計算してみます。1坪は約3.31㎡です。
| 建ぺい率60%・容積率200%の場合 | 15坪(約49.6㎡) | 20坪(約66.1㎡) |
|---|---|---|
| 1階の広さの上限 | 約29.7㎡ | 約39.7㎡ |
| 準耐火の家で+10% | 約34.7㎡ | 約46.3㎡ |
| 延床の上限(前の道4m) | 約79.3㎡(約24坪) | 約105.8㎡(約32坪) |
| 延床の上限(前の道6m) | 約99.2㎡ | 約132.2㎡ |
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ここで朗報です。準防火地域で準耐火建築物にすると、建ぺい率が10%増えます。特定行政庁(建築のルールを運用する役所)が指定する角地なら、さらに10%増えます。
3階建ては準耐火相当になることが多いので、防火の手間と引き換えに1階を広くできるわけです。
1階の広さから、家族で過ごす部屋の広さも見えてきます。
「そうすると、最大35平米から必要面積5平米を引くと、30平米 最大でも30平米しか残りません」
Yahoo!知恵袋の回答(2024年11月)
15坪・建ぺい率70%なら、1フロアは約35㎡。階段とトイレの分を引くと約30㎡で、畳にすると18畳ほどです。壁や収納を考えると、LDKはそこから少し小さくなると見ておきましょう。
要するに、「土地の㎡×建ぺい率」で1フロア、「×容積率」で家全体の広さの上限が出ます。
前の道が狭いと、建てられる広さが減る
前の道の幅が12m未満だと、容積率が道の幅で小さくなります。4m未満なら、敷地そのものも減ります。
道が狭いと、計算がもう一段増えます。
- 容積率が減る:住居系の地域では、原則「道の幅(m)×0.4」と指定の容積率の小さいほう。道4m・指定200%なら、4×0.4で160%
- 敷地が減る:幅4m未満の道(2項道路)は、道の中心から2mの線までが道とみなされます。この部分は敷地に入りません(セットバック)
- 道に2m以上接していること:これが家を建てる前提です。3階建てには、自治体の条例で条件が加わることもあります
さっきの表で「道4m」と「道6m」の延床が違ったのは、この計算のためです。係数は地域によって0.6などの例外もあるので、役所で確かめてください。

土地の広告に書いてある面積が、セットバック前の数字のこともあります。「道に取られる分を引いた面積は?」と聞いておくといいですよ。
高さのルールもあります。第一種・第二種低層住居専用地域では、建物の高さが10mか12mまでです。北側の家の日当たりを守る「北側斜線」で、3階の天井が斜めに削られることもあります。
「建物が20cm低くなるだけで、北側斜線に余裕が生まれ、3階が削られにくくなります。」
note(2025年11月)
要するに、前の道の幅と高さのルールで、計算上の広さを使い切れないことがあります。最後は役所か建築士に確認します。
用途地域はどう調べる?自治体の都市計画図を使う
候補地の住所を区市町村の「都市計画図」で検索すれば、用途地域・建ぺい率・容積率・防火の区分が無料でわかります。
多くの区市町村が、ネットで見られる地図を用意しています。たとえば江東区は「ことまっぷ」で、用途地域の情報を縮尺2,500分の1で調べられます。

練馬区なら「地図情報ねりまっぷ」です。区役所の窓口の端末でも、ネットと同じ情報を見られます。

地図を開いたら、次の項目を拾ってメモします。
- 用途地域(全部で13種類。住居系か商業系か)
- 建ぺい率・容積率
- 防火地域か準防火地域か
- 高度地区(高さのルール)
- 敷地面積の最低限度(これより小さく土地を分けて建てられない広さ)
- 前の道の種類(中央区のように、建築基準法上の道路の種類まで見られる地域もある)
ネットの地図は、あくまで参考図です。用途地域の境目の近くは、都市計画課などの窓口で正式な図面を確かめるよう、各区のページにも書かれています。
広い土地を半分に分けて、15坪ずつ2軒にできる?
地域によってはできません。練馬区では、建ぺい率60%の地域で新しく土地を分けるなら75㎡以上が必要です。いま既に小さい土地なら、分けずにそのまま建て替えはできます。
要するに、住所を入れて6項目をメモすれば、営業の人と同じ材料がそろいます。
狭くても広く暮らせる間取りの工夫は?
狭小地の間取りは「床面積に数えない空間」と「水回りの置き場所」で、使える広さが大きく変わります。
| 工夫 | 床面積の扱い(目安) | 暮らしでうれしい所 |
|---|---|---|
| ビルトインガレージ | 延床の1/5まで容積率に入れない | 駐車場の土地が要らない |
| ロフト(小屋裏収納) | 下の階の1/2未満・高さ1.4m以下などで階に数えない | 季節物をしまえる |
| 地下室 | 住宅部分の1/3まで容積率に入れない | 静かな部屋が作れる |
| 水回りをLDKの階に | ルール上の得はない | 家事で階段を上り下りしない |
| スキップフロア・天窓 | 設計による | 視線が抜けて広く感じる |
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ロフトの条件は、自治体によって細かい違いがあります。新宿区の場合は、はしごが固定式でないことなども条件に入っています。
個人的には、狭小地でいちばん効くのはビルトインガレージだと感じました。駐車場の分の土地を買わずに済み、しかも容積率の計算で得をします。ただ、1階の柱や壁が減るので、強さの確認とセットで考えてください。
「立地を重視できる、割高だけどなんだかんだ低予算でやれる 住めば都」
Yahoo!知恵袋の回答(2024年7月)

ロフトは「物置」として認められる範囲で作るのが前提です。寝室として使いたいなら、最初から設計の人に相談しておくといいですよ。
要するに、車庫・ロフト・地下の「数えない床」を使うと、同じ土地でも広く暮らせます。
よくある質問
Q. 50㎡くらいの小さい家でも、住宅ローン減税住宅ローン控除住宅ローンを組んで家を買うと、年末のローン残高に応じて、所得税などが一定の期間安くなる制度です。は使えますか?
A. 2026年以降に入居する場合、床面積40㎡以上なら対象です。ただし所得1,000万円を超える人や、子育て世帯等の上乗せを使う人は50㎡以上が条件です。また、省エネ基準を満たさない新築は対象外になりました。細かい条件は国土交通省の案内を見て、迷ったら税務署や税理士に相談してください。
Q. 3階建てだと、固定資産税は変わりますか?
A. 新築の家の固定資産税が半分になる期間は、ふつう3年度分です。3階建て以上の耐火・準耐火建築物なら5年度分になります(1戸120㎡相当まで)。令和8年度の税制改正で、床面積の下限は原則40㎡になりました。最新の条件は、都税事務所や市区町村の案内で確かめてください。
Q. 15坪の土地で、18畳のLDKは取れますか?
A. 建ぺい率70%なら、1フロアは約35㎡。階段とトイレを引くと約30㎡で、18畳が上限の目安です。建ぺい率60%の地域だと1フロア約29.7㎡なので、18畳は取りにくくなります。
この記事のまとめと、次にやること
- 首都圏で土地も買った人の平均総額は約6,404万円(2025年度フラット35利用者調査を加工して作成)。狭小地は土地代が下がり、建物の単価は上がりやすい
- 3階建てで上がるのは、構造計算・防火の仕様・地盤改良地盤改良地面が弱いときに、家が傾かないように地面を固めたり杭を打ったりする工事。土地を調べてから、必要かどうかが決まります。・運搬や足場・設備の値段
- 「土地の㎡×建ぺい率」で1フロア、「×容積率」で家全体の上限が出る
- 前の道が狭いと、容積率も敷地も減ることがある
- 用途地域は、区市町村の都市計画図で無料で調べられる
次にやること
① 候補地の住所で、区市町村の都市計画図を開き、6項目をメモする
→ ② 前の道の幅を確かめて、この記事の表のように延床面積の上限を計算する
→ ③ 「3階建て・準防火地域・運搬費や足場代込み」の総額で、見積もりを頼む
ここまで済んでいれば、営業の人の「建ちますよ」という言葉を、自分の数字で確かめられます。
出典を見る
- 2025年度【フラット35】利用者調査結果(調査結果の概要)(住宅金融支援機構) 2026-10-27 閲覧
- 2025年度フラット35利用者調査(詳細資料)(住宅金融支援機構) 2026-10-27 閲覧
- 2025年度集計表(住宅金融支援機構) 2026-10-27 閲覧
- 建築基準法 第52条(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-27 閲覧
- 建築基準法 第53条(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-27 閲覧
- 建築基準法 第53条の2(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-27 閲覧
- 建築基準法(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-27 閲覧
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索(デジタル庁)) 2026-10-27 閲覧
- 不動産取引の重要事項説明に関連する建築基準法の基礎知識(近畿建築行政会議(京都市掲載)) 2026-10-27 閲覧
- 令和8年度税制改正概要(国土交通省) 2026-10-27 閲覧
- 住宅ローン減税(国土交通省) 2026-10-27 閲覧
- 住宅等に係る固定資産税・都市計画税の主な軽減制度一覧(23区内)(東京都主税局) 2026-10-27 閲覧
- 用途地域(建ぺい率、容積率、高さの制限、敷地面積の最低限度等)(練馬区) 2026-10-27 閲覧
- 都市計画のご案内(地図情報ねりまっぷ)(練馬区) 2026-10-27 閲覧
- 用途地域等の調べ方(江東区) 2026-10-27 閲覧
- 都市計画情報等閲覧システム(中央区) 2026-10-27 閲覧
- 小屋裏物置等について(新宿区) 2026-10-27 閲覧
- 知恵袋の回答(狭小住宅の坪単価が割高になる理由・よい点)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-27 閲覧
- 知恵袋の回答(15坪・建ぺい率70%で取れるLDKの広さ)(Yahoo!知恵袋) 2026-10-27 閲覧
- 約19坪の土地での北側斜線への対応(note)(note) 2026-10-27 閲覧
