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ハウスメーカーと工務店どっちで建てる?坪単価・保証・倒産の比べ方

ハウスメーカーと工務店で迷う人向けに、公的統計から出した坪単価の目安をまとめました。法律で全社共通の10年保証と各社独自の延長保証の違い、建築中の倒産に備える完成保証の限度額、地域の工務店の探し方まで、営業に会う前に整理できます。

ハウスメーカーと工務店どっちで建てる?坪単価・保証・倒産の比べ方

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「ハウスメーカーは高いけど安心。工務店は安いけど、ちょっと不安」。

よく耳にする言い方ですよね。でも、何がどれくらい違うのかは、案外だれも教えてくれません。展示場に行く前に、自分なりの物差しを1本持っておきましょう。この記事では、その物差しを公的な数字で作ります。

この記事でわかること

  • 坪単価が「どの調査で、何を含めて」いくらなのか
  • どの会社でも同じ10年保証と、会社ごとに違う保証の境目
  • 建てている途中で会社が倒産したとき、自分のお金を守る方法

この記事の結論

会社の大小より「保証の中身」と「完成保証に入っているか」で比べると迷いにくい

  • 品質がそろっていて、長く続く窓口が欲しい人 → ハウスメーカー
  • 間取りの融通や担当者との近さを大事にしたい人 → 地域の工務店
  • どちらでも → 完成保証の有無と、延長保証の条件を契約前に確認する

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結論から言うと、「どちらが得か」に一つの正解はありません。

ただ、比べる順番は決まっています。①総額の目安を知る → ②保証を3つの層に分ける → ③倒産への備えを確かめる。この順で見ておけば、営業の話に流されにくくなります。

設計の先生
設計の先生

最初から会社を1つに絞らなくて大丈夫ですよ。ハウスメーカーと工務店を1社ずつ見るだけでも、違いがはっきりしてきます。

この記事の目次
  1. ハウスメーカーと工務店の違いは?
  2. 結局、坪単価と総額はいくら?
  3. 工務店でも10年保証はある?
  4. 大手の30年保証は、何が上乗せされている?
  5. 工事中にハウスメーカー・工務店が倒産したら?
  6. 私はハウスメーカーと工務店、どっちに頼む?
  7. 地域の良い工務店はどうやって探す?
  8. 展示場や営業に行く前、何を聞けばいい?
  9. この記事のまとめ
  10. 次にやること

ハウスメーカーと工務店の違いは?

一番の違いは「家のつくり方がどこまで決まっているか」と「対応している地域の広さ」です。

これから建てる人 ハウスメーカー 仕様がそろう 広い地域で建てる 工務店 地域に密着 設計の融通

実は、この2つに法律上の決まった定義はありません。

広い地域で、自社の決まった仕様の家を建てる会社をハウスメーカー。地元で一棟ずつ建てる会社を工務店。一般にはそう呼び分けています。

比べる点 ハウスメーカー 地域の工務店
家の仕様 商品ごとに決まっている 一棟ずつ相談して決める
品質 工場生産などでそろいやすい 大工や現場監督の腕で差が出る
対応エリア 広い 本社から通える範囲
窓口 営業・設計・アフターで担当が分かれる 社長や設計者と直接話せることが多い
完成保証 会社による 中小事業者向けの制度を使える

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つまり、「決まった仕様で安心を買う」ならハウスメーカー、「一緒に作り込む」なら工務店です。

ちなみに国の調査では、注文住宅を選んだ理由の最多は「信頼できる住宅メーカーだったから」。全国で53.1%でした(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」)。間取りより先に、まず「この会社を信頼できるか」で決めている人が多いわけです。

結局、坪単価と総額はいくら?

全国のフラット35利用者では約119万円/坪、大手中心の調査では約138万円/坪です(2026-10-17時点の最新調査から算出)。

建設費÷延床面積で出した坪単価(万円/坪) その他地域 約114 全国平均 約119 首都圏 約129 住団連調査 約138 上3本はフラット35利用者(2025年度)、下は大手会員企業中心の調査

ネットでよく見る「坪40万〜60万円」とは、ずいぶん違いますよね。

差の正体は、坪単価に何を含めるかです。広告の坪単価は本体工事だけの場合があります。上の数字は、建設費全体を床面積で割っています。

調査 対象 建設費 延床面積 坪単価(算出)
フラット35利用者調査(全国・2025年度) 土地を持っていて注文住宅を建てた人 4,259.8万円 118.4㎡ 約119万円
同・首都圏 同上 4,761.5万円 121.6㎡ 約129万円
同・その他地域 同上 4,012.6万円 116.5㎡ 約114万円
住団連「戸建注文住宅の顧客実態調査」(2025年度) 主要都市圏。回答の94.5%が住団連の会員企業 4,954万円 118.9㎡ 約138万円

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出典:住宅金融支援機構「2025年度【フラット35】利用者調査」、住宅生産団体連合会「2025年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」を加工して作成。坪単価は建設費÷延床面積(1坪=約3.3058㎡)で算出しています。

住団連の調査は、住宅メーカーの営業担当者が記入したもの。母集団が違うので、この差を「ハウスメーカーと工務店の価格差」とは言い切れません。それでも、大手中心だと坪あたり20万円ほど上に出るという目安にはなります。

あなたの家に当てはめてみましょう。36坪なら、約119万円/坪で約4,300万円、約138万円/坪で約5,000万円。ここに土地代、外構(門・駐車場・庭の工事)、ローンや登記の諸費用が加わります。

読者

見積もりの坪単価が安かったら、それで決めていい?

設計の先生
設計の先生

坪単価は割る面積で変わるので、総額で比べておくといいですよ。「本体・付帯・外構・諸費用、どこまで入っていますか」と聞くのが一番早いです。

予算オーバーは本当によく起きます。注文住宅を建てた世帯が妥協したことの最多は「価格(予定より高くなった)」で、63.8%でした(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」)。

工務店でも10年保証はある?

二重の傘で守られたシンプルな家のイラスト
※画像はイメージです

あります。構造と雨漏りの10年保証は法律で決まっていて、ハウスメーカーでも工務店でも同じです。

着工 引き渡し 10年 ③完成保証 ①法律の10年(全社共通) ②会社独自の延長(条件つき) 任意加入

根拠は品確法(住宅の品質を守るための法律)です。新築を建てた会社は引き渡しから10年間、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」の欠陥を直す責任を負います。施主に不利な特約は無効です。

裏付けもあります。2009年10月1日から、会社には保険への加入か供託(国にお金を預けておくこと)が義務付けられました。国交省によると、保険金の上限は「2000万円以上」。瑕疵保険に加入した住宅なら、会社が倒産して直せないときに、施主が保険法人に直接請求できます。

この10年保証で守られる範囲は、次のとおりです。

  • 対象は柱・梁・基礎などの構造と屋根・外壁などの雨漏りを防ぐ部分だけ
  • キッチンや給湯器などの設備、内装は対象外
  • 保険に加入する家は、工事中に検査が入る

指定されている保険法人は、住宅あんしん保証・住宅保証機構・日本住宅保証検査機構・ハウスジーメン・ハウスプラス住宅保証の5社です(国土交通省「新築住宅の瑕疵保険」)。

設計の先生
設計の先生

契約の前に「瑕疵保険はどこの保険法人ですか」と聞いておくと安心ですよ。国が指定した5社のどれかになるはずです。

大手の30年保証は、何が上乗せされている?

10年を超える長期保証は会社独自のもので、多くは点検の実施が条件です。

保証の種類 期間 条件 どこで決まる
法律の瑕疵担保責任 引き渡しから10年 なし 品確法
会社独自の初期保証 例:30年 例:10年・20年点検の実施 各社の保証書
延長保証 会社による 例:有料点検・有償工事 各社の保証書

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大手の一例として、積水ハウスの保証を見てみます。

積水ハウスの保証体制の公式ページを見る(sekisuihouse.co.jp)

構造躯体と雨水の浸入を防止する部分には「初期30年保証制度」があります。品確法の10年に20年を加えたもので、10年・20年点検の実施が条件です。その後も有料点検と有償工事を行えば、建物がある限り延長できます(2018年4月1日以降の契約が対象)。

長く続く窓口は、大手を選ぶ大きな理由になります。

「30年後、40年後、50年後にアフターフォロー出来る会社と考えると、ハウスメーカーの方が安心です。」

Yahoo!知恵袋の回答(2024年6月)

地域の工務店には、工務店ならではのアフターがあります。

「地元工務店でも、優秀な職人が、自分が建てた家が現状どうなのか?定期的に見に来て、購入者が気になっていないようなことも、来なって直してくれるような会社もある。」

Yahoo!知恵袋の回答(ベストアンサー・2024年6月)

調べていて感じたのは、「保証◯年」の数字だけ比べても意味が薄い、ということ。見るべきは延長の条件と、点検にかかる費用です。ここは各社の保証書で確かめるしかありません。

工事中にハウスメーカー・工務店が倒産したら?

完成保証に入っていれば、工事の引き継ぎで増える工事費が限度額まで補償されます。保証の種類によっては前払金の損害も対象です。入っていなければ、施主も債権者の一人になります。

工事中に倒産 完成保証あり 限度額まで補償される 完成保証なし 施主も債権者の一人

東京商工リサーチによると、ハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産は2026年上半期(1〜6月)に118件。前年同期比87.3%増でした。同社は、倒産時には「先払いした施主(オーナー)も債権者となり工事が止まることも多い」と書いています。

読者

それって工務店のほうが危ないってこと?

規模に関係なく、どの会社にも起こりうることです。会社の大きさを当てにするより、仕組みで自分のお金を守る。その仕組みが「住宅完成保証制度」です。

住宅保証機構の住宅完成保証制度の公式ページ
住宅保証機構の住宅完成保証制度の公式ページ(mamoris.jp・2026-10-17時点の画面)
住宅あんしん保証の住宅完成保証制度の公式ページ
住宅あんしん保証の住宅完成保証制度の公式ページ(j-anshin.co.jp・2026-10-17時点の画面)
比べる点 住宅保証機構 住宅あんしん保証
対象 個人が発注する新築一戸建て(併用住宅も可) 原則として請負金額3,600万円までの一戸建て低層注文住宅など
使える会社 中小事業者(資本金3億円以下または常時使用従業員300人以下)で登録済み 登録した事業者
限度額 Aタイプ:増嵩工事費用20%/Bタイプ:20%+前払金損害1〜20% 前払金と増嵩工事費用の合計で「請負金額の30%または1,100万円の低い方」
申込のタイミング 工事の着工前 工事請負契約の締結後
その他 地震・台風などが原因の場合や施主の責任による場合は対象外 あんしん住宅瑕疵保険への加入が必要

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増嵩(ぞうすう)工事費用とは、別の会社が工事を引き継ぐときに増える費用のことです。

あなたの請負金額が3,000万円なら、補償の上限はこうなります(各社公式の計算式から算出)。

  • 住宅保証機構 Aタイプ:600万円
  • 住宅保証機構 Bタイプ:最大1,200万円
  • 住宅あんしん保証:900万円

保証料は、住宅保証機構の例で「1.05%×400万円=42,000円(税抜)」。請負2,000万円・Aタイプ・工期4か月で、まもりすまい保険と同時に申し込む場合です。

個人的には、工務店に頼むならこの制度に入っているかを、見積もり金額と同じくらい重く見ていいと思います。数万円で、数百万円単位の損失に備えられるからです。

設計の先生
設計の先生

契約金を大きく先払いしない支払い方も相談してみるといいですよ。工事の進み具合に合わせて払えば、もしものときの影響を小さくできます。

私はハウスメーカーと工務店、どっちに頼む?

「何を一番大事にするか」で、向いている依頼先が変わります。自分に近い行を探してみてください。

あなたがこうなら 向いている依頼先 理由
仕事が忙しく、打ち合わせを短く済ませたい ハウスメーカー 仕様が決まっていて選ぶものが少ない
30年以上先まで同じ窓口に相談したい ハウスメーカー 長期保証の仕組みが整っている
変わった形の土地や、こだわりの間取りがある 工務店 一棟ずつ設計するので融通がききやすい
担当者とすぐ連絡が取れる距離感がいい 工務店 地域の会社で、打ち合わせがスムーズ
地元の大工や木材を使いたい 工務店 地域とのつながりが強い

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選び方の基準:国の統計、各社と保証会社の公式ページ、知恵袋で多く聞かれていた疑問の3点から整理しました。会社名で順番は付けていません。

50代で親の家を建て替えるなら、解体費も見込んでおきましょう。住団連の調査では、古家を解体して新築した場合の建築費は5,637万円。全体平均の4,954万円より高くなっています。

地域の良い工務店はどうやって探す?

ネットと展示場で候補を見つけ、国の検索システムと見学会で確かめる。この4段階です。

1 2 3 4 候補を探す ネット・展示場 許可を調べる 国の検索システム 保証を確認 瑕疵保険・完成保証 住み心地を聞く 見学会・住んでいる人

国の調査で、注文住宅を建てた人が施工会社を探した方法は次のとおりでした(全国・複数回答)。

  • インターネット:45.8%
  • 住宅展示場:45.8%
  • 知人等の紹介:25.9%

候補が見つかったら、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で建設業許可を調べられます。所在地や許可の種類が分かるので、地元で続けてきた会社かどうかの手がかりになります。

国土交通省の建設業者検索ページ
国土交通省の建設業者検索ページ(etsuran2.mlit.go.jp・2026-10-17時点の画面)

最後は、その会社が建てた家を見るのが一番です。

「住んでる人で一年は住んでる人に住み心地を聞いて 冬とか夏とかの住み心地を聞くんです それで納得したらその家を建てた大工さんに頼むようにしましょう」

Yahoo!知恵袋の回答(2026年2月)

「各社の提案説明を受けて、耐震や断熱性能・外観・間取り・設備内容等を総合的に比較検討すると良い。」

Yahoo!知恵袋の回答(ベストアンサー・2023年3月)

OB宅(その会社で建てた人の家)の見学会では、夏と冬の住み心地を直接聞けます。ハウスメーカーにも工務店にも、同じ質問をぶつけてみてください。

展示場や営業に行く前、何を聞けばいい?

スマホと間取り図を前に家づくりの相談をする夫婦
※画像はイメージです

この6つをスマホのメモに入れておけば、どの会社とも同じ物差しで比べられます。

  • 坪単価に入っているのは、本体・付帯工事・外構・諸費用のどこまで?
  • 瑕疵保険は、どこの保険法人?
  • 完成保証に入っている?どの保証会社で、限度額はいくら?
  • 10年を超える保証の延長条件は?有料点検の費用は?
  • 契約金・着工金・中間金・引き渡し時、それぞれいくら払う?
  • この会社で建てた家を見学できる?

付帯工事は、建物の外側の工事(水道の引き込みや地盤の補強など)のことです。ここが総額に入っているかで、見積もりの見え方が大きく変わります。

設計の先生
設計の先生

同じ質問を全社にするのがコツです。答え方の丁寧さも、その会社を知る材料になりますよ。

よくある質問

Q. 工務店で建てたら、10年保証はないの?
A. あります。構造と雨漏りの10年保証は品確法で決まっていて、会社の規模は関係ありません。保険か供託で裏付けもあり、保険に加入していれば、会社が倒産しても保険法人に直接請求できます。

Q. 大手ハウスメーカーでも完成保証は使える?
A. 住宅保証機構の制度は、中小事業者が受注する工事に限られます。大手の場合は、倒産したときの扱いや工事の引き継ぎについて、その会社の説明を聞いておくと安心です。

Q. 困ったとき、中立の立場で相談できる窓口はある?
A. 国が指定する相談窓口「住まいるダイヤル」(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)があります。電話は03-3556-5147、受付は10:00〜17:00(土日祝・年末年始を除く)です。税金やローンの個別の判断は、税理士や金融機関に相談してください。

この記事のまとめ

  • 坪単価は、全国のフラット35利用者で約119万円、大手中心の調査で約138万円(建設費÷延床面積で算出)
  • 構造と雨漏りの10年保証は法律で決まっていて、全社共通
  • 30年などの長期保証は会社独自のもので、点検の実施などの条件がある
  • 建築中の倒産には完成保証で備える。限度額の計算方法は保証会社ごとに違う
  • 工務店は、ネット・紹介で探す → 許可を検索 → 保証を確認 → 見学会、の順で確かめる

まず今日やること:上の質問リストを、スマホのメモにコピーしておきましょう。

次にやること

① 今の家賃と貯金から、出せる総額を出す(土地・外構・諸費用込みで考える)
→ ② ハウスメーカーと工務店を1社ずつ候補にして、上の質問リストを送る
→ ③ 両方のOB宅見学会に行き、夏と冬の住み心地を聞いてから2〜3社に絞る

焦って1社に決めなくて大丈夫です。比べた分だけ、あなたの家の「ちょうどいい」が見えてきます。

出典