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ホームインスペクションの不具合事例トップ10|公的統計と補修の頼み方

ホームインスペクションで見つかる不具合事例を、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの2025年度統計とさくら事務所の検査データからトップ10に整理しました。指摘が出たあとの補修の頼み方、伝えられる期限、相談窓口まで、初めて家を買う人向けにまとめています。

ホームインスペクションの不具合事例トップ10|公的統計と補修の頼み方

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築29年の中古戸建てを、来月契約する予定。そこへインスペクターから報告書が届きました。「何かしらは指摘されるよ」と聞いてはいても、指摘がずらっと並んでいると手が止まりますよね。

床下の一部には「基礎に遮られて見られなかった」とも書いてある。買うのをやめる話なのか。売主さんにどう切り出せば気まずくならないのか。答えが出ないまま夜になってしまう。

ホームインスペクションホームインスペクション建物の専門家が、家の傷み・不具合・直す時期を目で見て調べる住宅診断のこと。買う前や引き渡し引き渡し工事が終わって、家の鍵を受け取る日のこと。この日から保証の期間が始まります。の前に頼みます。(住宅の専門家が、家の傷みや不具合を見て回る検査)は、そんな迷いを数字でほどくための道具です。

この記事でわかること

  • 新築と中古で多い不具合(公的な統計のトップ10)
  • 見つかったひび割れや傾きを、建築士に相談したほうがいいかどうかの目安
  • 売主に補修を頼む順番と、いつまでに伝えればいいか

この記事の結論

指摘が出るのは普通のことです。慌てずに「書面にまとめて、引き渡し前の補修を頼む」のが基本です。

  • 報告書の指摘を一覧にする → 重いものだけ建築士に確認する
  • 売主・住宅会社には → 期限を決めて補修を頼む
  • 話がまとまらないとき → 住まいるダイヤル(専門家相談は原則無料)へ

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設計の先生
設計の先生

指摘の数より、どこの指摘かを見ておくといいですよ。建具のガタつきと基礎のひび割れでは、重さがまるで違いますから。

この記事の目次
  1. ホームインスペクションで何かしら指摘されるのは普通?
  2. 不具合トップ10を新築・中古で比べる(公開データから)
  3. 建物状況調査では何を見てもらえる?見られない場所もある
  4. 見つかったひび割れや傾きは重大?目安の判定表
  5. 指摘が出たら、値引きより先に「引き渡し前の補修」を頼む
  6. いつまでに言える?売主の種類と時期で変わる
  7. 断られたら?相談窓口と瑕疵保険
  8. Q. インスペクションの報告書は、売主や仲介会社に渡してもいいですか?
  9. Q. インスペクションの費用は誰が払いますか?
  10. Q. 売主にインスペクションを断られたらどうすればいいですか?
  11. Q. 新築の内覧会で指摘したら、補修に追加費用はかかりますか?
  12. まとめ
この記事に出てくる言葉 4個・押すと意味が出ます

本文の点線の言葉こんなふうに押すと、ここに意味が出ます。も、押すと意味が出ます。

  • ホームインスペクション建物の専門家が、家の傷み・不具合・直す時期を目で見て調べる住宅診断のこと。買う前や引き渡しの前に頼みます。
  • 引き渡し工事が終わって、家の鍵を受け取る日のこと。この日から保証の期間が始まります。
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ホームインスペクションで何かしら指摘されるのは普通?

普通です。さくら事務所が2025年に検査した新築一戸建て1,370件では、82.0%で何らかの不具合の指摘がありました(2026年3月3日発表)。

新築で指摘が多い場所開口部等47.7%基礎・床下35.5%外壁仕上げ31.9%

1戸あたりの指摘は平均16.7箇所。ただし、これは1社の依頼者のデータです。「全国の新築の8割に、直さないといけない所がある」という意味ではありません。

いちばん多いのは開口部(窓やドア)。「開け閉めでガタつく」「上下で隙間の空き方が違う」「異音がする」といった指摘です。基礎ならひび割れやジャンカ(コンクリートの表面に砂利が出てしまう所)、外壁なら表面の欠けや反りが挙がります。

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中古でも事情は同じ。

「ホームインスペクションは他の回答者が言っておられるように、何かしらの不具合は指摘されます。」

Yahoo!知恵袋の回答(2025年5月)

要するに、指摘ゼロを目指すより、指摘の中身を見るほうが大事です。

不具合トップ10を新築・中古で比べる(公開データから)

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2026」(2025年度のデータ、2026年9月30日発表)では、いちばん多い不具合は新築戸建てがひび割れの20.1%、中古戸建てが雨漏りの20.0%でした。

いちばん多い不具合新築の1位ひび割れ20.1%中古の1位雨漏り20.0%vs

1位から5位までを並べます。カッコ内は、その不具合が多い場所です。

多い順 新築戸建て(n=5,331) 中古戸建て(n=450)
1 ひび割れ 20.1%(外壁・基礎) 雨漏り 20.0%(屋根・天井)
2 性能不足 16.8%(設備機器・外構) ひび割れ 19.8%(基礎・外壁)
3 雨漏り 12.7%(屋根・外壁) 漏水 13.1%(給水・給湯配管、設備機器)
4 変形 12.2%(開口部・建具、床) 性能不足 11.1%
5 はがれ 11.8%(外壁・内装) 作動不良 10.2%

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続いて6位から10位です。

多い順 新築戸建て(n=5,331) 中古戸建て(n=450)
6 汚れ 10.8%(内装・床) はがれ 9.3%
7 漏水 6.0%(排水配管、給水・給湯配管) 傾斜 8.7%(床・基礎)
8 作動不良 5.6%(開口部・建具、設備機器) 変形 8.4%
9 傾斜 4.0%(床) 汚れ 6.7%
10 排水不良 3.8%(排水配管・外構) 腐食・腐朽 6.2%(床・柱)

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読者

新築でも雨漏りが3位って、ちょっと怖くない?

この表は、住まいの電話相談に寄せられた中身の内訳です。1件の相談で複数の不具合を数えています。検査で見つかる割合とは別物。「相談するほど困った人の話」の内訳だと思って読むのがちょうどいいです。

見比べて気づくのは、中古では雨漏りと漏水という水の話が上に来ること。中古の上位3つのうち2つが、水に関わる不具合です。

設計の先生
設計の先生

中古なら、天井のしみや配管まわりの写真が報告書にあるか確かめておくといいですよ。統計でも雨漏りと漏水が上位に来ています。

要するに、新築はひび割れや設備の性能不足、中古は雨漏りや漏水といった水の不具合が上位です。

建物状況調査では何を見てもらえる?見られない場所もある

  • 見てもらえる:家を支える部分と、雨水を防ぐ部分
  • 見てもらえない:給排水管(オプション扱い)

国土交通省によると、建物状況調査(国の講習を修了した建築士が行う中古住宅の検査)は、ひび割れや雨漏りを目で見たり測ったりして調べます。所要時間は3時間程度です。

範囲 中身(国土交通省のQ&Aより)
家を支える部分 基礎、土台・床組、床、柱・梁、外壁・軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組
雨水を防ぐ部分 外壁、内壁、天井、屋根
給排水管 対象外。オプションで頼む
費用 国の決まった基準はなく、会社ごとに違う。頼んだ人が払うのが一般的
事前に要るもの 売主の承諾

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民間の料金の一例を挙げると、さくら事務所の新築一戸建て完成検査は基本コースが88,000円〜(税込、2026年11月3日時点)。床下と屋根裏に入って調べるのはオプションか、上のコースです。

「見られなかった場所」が出るのも珍しくありません。

「浴室と洗面所部分はコンクリートの基礎に遮られていたため確認できなかったそうです。」

Yahoo!知恵袋の質問(2026年5月)
読者

見られなかった所は、あきらめるしかないの?

あきらめなくて大丈夫です。報告書に「未確認」と書いてもらい、売主に修理の履歴を聞く。そのうえで、あとで紹介する既存住宅売買瑕疵保険で備える。この順番で埋めていけます。

要するに、「何を見て、何を見ていないか」を報告書で確かめておけば十分です。

見つかったひび割れや傾きは重大?目安の判定表

基礎のひび割れなら幅0.3mm以上、床の傾きなら3/1000以上が、建築士に相談する目安です。3/1000とは、3m離れた2点で9mmの高さの差がある状態のこと。

基礎のひび割れを見たら幅0.3mm以上?はいいいえ建築士に相談様子見で記録

数字の出どころは、国土交通省の告示「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年建設省告示第1653号)です。告示の3段階をそのまま表にしました。

不具合がある可能性(告示の区分) 基礎のひび割れ(コンクリートのままの仕上げ) 床の傾き(3m程度以上離れた2点)
低い 下の2段に当たらないもの 3/1000未満
一定程度ある 幅0.3mm以上0.5mm未満 3/1000以上6/1000未満
高い 幅0.5mm以上、またはさび汁を伴う 6/1000以上

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ひとつ注意があります。この告示は、建設住宅性能評価書(国の基準で家の性能を評価した書類)がある住宅の話し合いで「参考」にするための基準です。超えたらすぐ直さないといけない、下回れば安心、という線ではありません。

告示はあくまで参考の目安です。最終的な判断は建築士に任せましょう。

設計の先生
設計の先生

ひび割れは、幅を測っている写真を報告書に残してもらうといいですよ。あとで売主さんと話すとき、言葉で説明するよりずっと伝わります。

要するに、0.3mmと3/1000を超えたものだけ、優先して専門家に見てもらえば大丈夫です。

指摘が出たら、値引きより先に「引き渡し前の補修」を頼む

先に頼むのは補修です。住宅相談統計年報2026でも、解決の希望は新築・中古とも、「修補(直してもらうこと)」を含むものが約6割でした。

補修を頼む順番12345書面化決める期限つき再確認相談売主と話す窓口へ

1の「書面化」は、スマホを修理に出すときの症状メモと同じ。場所、写真、報告書の番号を並べるだけでかまいません。

2で迷うのは、何を頼めるか。引き渡しの前なら、契約どおりに直してもらうよう補修を頼むのが基本です。

引き渡しの後に契約の内容と違う所が見つかったときは、契約不適合責任(契約の内容と違う所があったときに売主が負う責任)として、次のことを求められます。

引き渡し後に頼めること 中身 条件(法務省の資料より)
追完請求 直してもらう 買主側に原因があるときは使えない
代金減額請求 値段を下げてもらう 原則、期限を決めて補修を求め、直らなかったとき
損害賠償請求 損した分を払ってもらう 売主側に落ち度があるとき
契約解除 契約をやめる 不具合が軽いときは使えない

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値引きの「相場」には、公的な根拠がありません。減額を話すなら、補修の見積もり額を根拠にするのが筋です。

切り出し方で迷う人には、この言い方が参考になります。

「あくまで自分が買ってその建物を使い続ける為には どこをどう補修や改装しないといけないのか?事前に金額を知りたい為です・・売主さんにはその責任は追及しません」

Yahoo!知恵袋の回答(2025年5月)

責めるのではなく、住み続けるための確認だと伝える言い方です。

要するに、書面で補修を頼み、直らなかったときに減額を話す。この順番なら安心です。

いつまでに言える?売主の種類と時期で変わる

引き渡し後に不具合を見つけたら、知ってから1年以内に売主へ伝えます。伝える中身は、不具合の種類とおおよその範囲で足ります(法務省の資料より、2026年11月3日時点)。

売主 伝える期限の目安 気をつけること
宅建業者(不動産会社) 知ってから1年が原則。特約で縮める場合も、引き渡しから2年以上 買主に不利な特約は無効(宅建業法40条)
個人(個人どうしの売買) 知ってから1年が原則 責任をなくす特約も有効になりうる。ただし売主が知っていて黙っていた事実は対象外
新築(売主・施工会社) 構造と雨水を防ぐ部分は10年 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)による瑕疵担保責任(引き渡し後に不具合が見つかったとき、売主や施工会社が直す責任)

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「契約不適合責任は10年」という説明を見かけたら、少し立ち止まってください。10年は、品確法で決まっている新築の構造部分と雨水部分の話です。民法では、権利を使えると知ってから5年、引き渡しから10年で時効になります。

時期による話しやすさの違いは次のとおりです。

タイミング 話しやすさ やること
売買契約の前 補修・価格・見送りまで話しやすい 調査を予約し、結果を見てから契約する段取りにする
内覧会(引き渡し前) 補修を頼みやすい 指摘を書面で渡し、再確認の日を決める
引き渡しの後 期限内に伝える必要がある 気づいた日付つきで、書面で伝える

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「引渡しまで2週間くらいだったと思いますが、もちろん改修要求をして、修繕されました。」

Yahoo!知恵袋の回答(2023年1月)

個人の売主から「現状有姿(いまの状態のまま引き渡すこと)」と言われることもあります。そんなときこそ、契約前の調査の結果が判断材料になるんです。

要するに、話しやすいのは契約前と引き渡し前。引き渡し後は「1年」を手帳に書いておけば十分です。

断られたら?相談窓口と瑕疵保険

住まいるダイヤルの専門家相談は、弁護士と建築士が1名ずつ、1時間、原則無料で相談にのってくれます。運営は住宅リフォーム・紛争処理支援センターで、中古住宅の買主も使えます(2026年11月3日時点)。

住まいるダイヤルの専門家相談の案内ページを見る(chord.or.jp)

窓口・制度 できること 費用・条件(2026年11月3日時点)
住まいるダイヤル(電話) 住まいの困りごとを相談する 03-3556-5147/10:00〜17:00(土日・祝日・年末年始を除く)
専門家相談 弁護士と建築士に相談する 原則無料・1時間
住宅紛争処理 専門家が間に入って話し合う(あっせん・調停・仲裁) 申請手数料1万円。評価住宅と保険付き住宅が対象
既存住宅売買瑕疵保険 構造・防水部分の不具合の補修に備える 期間1〜5年、保険金額200万〜1,000万円(種類による)

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住宅紛争処理は、2022年10月1日から既存住宅売買瑕疵保険の付いた中古住宅も対象になりました。保険に入っておくと、困ったときに使える窓口が増えるわけです。

設計の先生
設計の先生

電話の前に、報告書と売主さんに送った書面の控えを手元に置いておくといいですよ。それだけで話がずっと早く進みます。

要するに、困ったら一人で抱えずに、無料の専門家相談をまず使ってください。

よくある質問

Q. インスペクションの報告書は、売主や仲介会社に渡してもいいですか?

A. 渡して大丈夫です。補修をお願いするときの根拠になります。渡すときは、どの指摘を直してほしいかを書いた一覧を添えると話が早く進みます。

Q. インスペクションの費用は誰が払いますか?

A. 頼んだ人が払うのが一般的です。国土交通省は「基準の設定はなく、各調査実施者により費用は異なります」としているので、申し込む前に見積もりをもらいましょう。

Q. 売主にインスペクションを断られたらどうすればいいですか?

A. 調査には売主の承諾が要るので、無理には進められません。「責任を追及したいのではなく、補修費を知りたい」と目的を伝え直してみましょう。それでも難しければ、見られない分のリスクを、価格や見送りを決める材料にしてください。

Q. 新築の内覧会で指摘したら、補修に追加費用はかかりますか?

A. 費用の有無は、契約の中身によって決まります。仕様の変更や好みの手直しは、別扱いになることがあります。契約書と標準仕様標準仕様その会社の基本の価格に含まれている設備や材料のこと。これ以外は「オプション」で、追加のお金がかかります。(その会社が最初から含めている設備や仕上げ)を見ながら、追加費用がかかるかを住宅会社に書面で確かめてください。

まとめ

  • ホームインスペクションで指摘が出るのは普通です。さくら事務所の2025年の新築検査では82.0%に指摘がありました。
  • 住宅相談統計年報2026では、新築戸建てはひび割れ、中古戸建ては雨漏りが最も多い不具合です。
  • 基礎のひび割れ幅0.3mm以上、床の傾き3/1000以上は、建築士に相談する目安です。
  • 指摘が出たら、まず書面で引き渡し前の補修を頼み、直らないときに減額を話します。
  • 引き渡し後は、不具合を知ってから1年以内に売主へ伝えます。

次にやること
① 売買契約・内覧会の日から逆算して、インスペクションを予約する → ② 報告書の指摘を「直してほしい所」と「様子見の所」に分けて書面にする → ③ 期限を決めて売主に補修を頼み、まとまらなければ住まいるダイヤルに電話する

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