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設計事務所の設計料相場と頼み方|工務店・ハウスメーカーとの違い

設計事務所の設計料は工事費の何%で、3,000万円の家ならいくらか。国の基準(令和6年告示第8号)で試算した額と、民間の目安を並べました。設計事務所・設計に強い工務店・ハウスメーカーのどこに相談するかも、土地とこだわりの強さで決められます。

設計事務所の設計料相場と頼み方|工務店・ハウスメーカーとの違い

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建築家の作品集をめくって、「こんな家に住めたら」と思う。でも次の瞬間、手が止まりますよね。「設計料って何百万もかかるんでしょ? うちの予算で頼んでいいの?」

大丈夫です。最初はみんな分かりません。設計料は、営業の場でも細かく説明されることが少ない話です。

この記事でわかること

  • 自分の家の広さだと、設計料がいくらくらいになるか自分で計算できる
  • 設計事務所・設計に強い工務店・ハウスメーカーの自由設計のうち、どこに相談すればいいかがわかる
  • 設計事務所との最初の面談で、何を聞けばいいかがわかる

この記事の結論

まず土地とこだわりで相談先を1つに決め、設計料は「%」ではなく「総額」と「計算のしかた」で比べます。

  • 土地が変形・狭い・傾斜地、または間取りや素材に強いこだわりがある → 設計事務所
  • こだわりはあるけれど、窓口は1つにまとめたい → 設計に強い工務店
  • 時間をかけずに決めたい、保証や工期の見通しを重く見る → ハウスメーカーの自由設計

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設計の先生
設計の先生

設計料が高いか安いかより、その金額で何をしてくれるのかを先に聞いておくといいですよ。中身が分かれば、比べ方も見えてきます。

結論から言うと、設計事務所の設計料は、民間の目安で工事費の10〜15%です。3,000万円の家なら300〜450万円になります。

ただし、国の基準で計算すると、家の区分によってはもっと高く出ます。「目安」が2種類あるわけです。だから面談では「どうやって計算した金額ですか?」と聞くのがいちばん確かです。

この記事の目次
  1. 設計事務所・工務店・ハウスメーカーは何が違う?
  2. 設計料の相場は? 3,000万円の家なら300〜450万円
  3. 国の基準(告示第8号)で計算するといくら?
  4. 設計料を払っても、総額で得になることはある?
  5. 相談から入居まで、どれくらいかかる?
  6. 私はどこに相談すればいい?
  7. 設計事務所との最初の面談で、何を聞けばいい?
  8. 親の家を建て替えるなら、何が変わる?
  9. 次にやること
  10. この記事のまとめ

設計事務所・工務店・ハウスメーカーは何が違う?

いちばん大きな違いは「誰が設計して、誰が工事をチェックするか」です。

あなた 設計事務所 設計・監理 工務店が施工 設計に強い工務店(設計+施工) ハウスメーカー(自由設計+施工) 一社 一社

設計事務所に頼むと、工事は別の会社が担当します。設計した人は、施主側に立ってその工事を見てくれます。

この「図面どおりに工事されているか確かめる仕事」を、工事監理といいます。

工務店とハウスメーカーは、設計から工事まで一社で進めます。窓口が1つなので話が早い。ここが強みです。

比べるところ 設計事務所 設計に強い工務店 ハウスメーカーの自由設計
間取り・形の自由さ とても広い 広い 会社の工法の範囲で広い
設計料の見え方 別に見積もりが出る 会社による 見積もりの中での扱いを確認
工事のチェック 設計事務所が施主側で確かめる 自社で確かめる 自社で確かめる
工事会社の相見積もり 取りやすい 基本は自社 基本は自社
工事の請負契約までの期間 6〜7か月 会社による 3か月前後
向いている人 土地が難しい・こだわりが強い こだわりと手間のバランス重視 時間・保証の見通し重視

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期間は民間記事の目安です(フリーダムアーキテクツの記事より)。

つまり、こう分かれます。

  • 「設計の自由さ」と「第三者の目」が欲しいあなた → 設計事務所
  • 「一社で完結する安心」が欲しいあなた → 工務店かハウスメーカー

どちらが上、という話ではありません。

設計料の相場は? 3,000万円の家なら300〜450万円

家の模型とコインの山、積み木の天秤を眺める夫婦
※画像はイメージです

民間でよく使われる目安は、工事費の10〜15%です。

工事費 3,000万円 設計料 300〜450万円 民間の目安 10〜15% ¥

数字は、記事によって少し幅があります。

三井住友トラスト不動産のコラムでは、工事費3,000万円の木造2階建てで設計料300〜360万円(10〜12%)。内訳は設計210万円、監理90万円でした。

もっと広く10〜20%とする記事もあります。

読者

設計料の分だけ、家が狭くなっちゃうの?

総額が同じなら、工事費に回るお金はそのぶん減ります。これは事実です。

ただ、次の見出しで書く「工事会社の相見積もり」で、工事費が下がる例もあります。設計料だけを切り出して比べると、判断を誤りやすくなります。

「予算を伝えた上で予算内で検討はしてもらえると思いますが設計料や設計監理費などあるため工務店やハウスメーカーより坪数は小さくなりますか?」

Yahoo!知恵袋の質問(2024年1月)

国の基準(告示第8号)で計算するといくら?

国の計算式は、告示のどの区分に当たるかで額が大きく変わります。区分によっては、民間の目安より高く出ます。

業務量(時間) × ¥ 人件費単価 × 2.1 経費込みの倍率 + 技術料 など +消費税

設計料には、国の物差しがあります。「業務報酬基準」という、建築士法にもとづく告示です。

今の基準は、2024年1月9日に出た「令和6年国土交通省告示第8号」。よく見かける「告示98号」は、このとき廃止されました。

国土交通省の業務報酬基準のページ
国土交通省の業務報酬基準のページ(mlit.go.jp・2026-10-17時点の画面)

告示には、戸建住宅を建てるのに何時間かかるか(業務量)の表があります。当サイトでは、その時間に次の2つをかけて計算しました。

  • 国の技術者単価(一級建築士2年目くらいの人の日額42,500円÷8時間)
  • 経費込みの倍率 2.1
床面積(坪の目安) 告示の区分 設計+監理の時間 国の式で計算した額
100㎡(約30坪) 別表第14 487時間 約543万円
120㎡(約36坪) 別表第14 約547時間 約610万円
150㎡(約45坪) 別表第14 637時間 約711万円
150㎡(約45坪) 別表第13(構造計算あり) 727時間 約811万円
150㎡(約45坪) 別表第15(その他) 388時間 約433万円

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2026-10-17時点の当サイトの計算です。技術料等経費・特別経費・消費税は含みません。120㎡は、100㎡と150㎡の間を直線で補って出しました。

調べていて驚いたのは、この差です。区分によっては、国の式だと30坪でも500万円を超え、民間の目安の300〜450万円を上回ります。

でも、どちらかがおかしいわけではありません。国の資料も「目安」と書いていて、事務所が自分の基準で決めてよいとしています。国の会議資料では、この基準を使う事務所は約5割。略算の額と実際の契約額が離れている、という指摘も載っています。

設計の先生
設計の先生

崖地や変形地だと、構造の設計の手間は国の基準で2.17倍になります。土地の条件は、最初の相談で正直に伝えておくといいですよ。

もう1つ、知っておきたい変化があります。2025年4月から、2階建て以上の木造住宅は構造や省エネの図面の提出が必要になりました。告示第8号の業務量は、この省エネ基準の義務化に合わせて作られています。

設計料を払っても、総額で得になることはある?

1枚の図面と、並んで比べる3軒の小さな家
※画像はイメージです

あります。設計事務所の図面があれば、工事会社を何社かで比べられるからです。

同じ図面 見積もり 同じ条件で比べられる

図面と仕様(使う材料や設備)が決まっていれば、どの工務店も「同じ家」の値段を出します。だから見積もりを横に並べやすいのです。

「前回は設計事務所に頼んで工務店4つ相見積もりでいちばん安いところにお願いしました。ほぼ同じ内容で見積もり額は2割も差が出ました。」

Yahoo!知恵袋の回答(2024年11月)

もちろん、毎回2割下がるわけではありません。それでも「設計料の分だけ損」と単純には言えない。その理由がここにあります。

設計料が見積もりのどこに入っているかは、依頼先によって違います。

比べるときは、次の5つを全部足した金額で並べます。

  • 建物本体
  • 付帯工事(水道の引き込みや地盤の補強など)
  • 外構(門・塀・駐車場など)
  • 諸費用
  • 設計料
設計の先生
設計の先生

見積もりを比べるときは、断熱や耐震の等級を同じにそろえておくといいですよ。条件がずれていると、金額の差の理由が見えなくなります。

相談から入居まで、どれくらいかかる?

設計事務所なら、工事の契約までに半年ほど見ておくと落ち着いて進められます。

相談 設計契約 基本設計 実施設計 見積もり 請負契約 着工 完成 ここまで6〜7か月(民間の目安)

色を付けた2か所が、大きな契約をするタイミングです。

設計料は、設計契約のあとに何回かに分けて払うのが一般的です。回数と時期は事務所ごとに違うので、契約書で確かめてください。

読者

最初の相談や、ラフな間取り図にもお金がかかるの?

ここは事務所によって違います。初回相談を無料にしているところもあれば、プラン提案から有料のところもあります。

「これは設計では常識ですが、設計契約をした後です。「いつの時点から発生するのでしょうか?」っていう質問をしてる時点の話なら、おそらく発生しないです。」

Yahoo!知恵袋の回答(2024年10月)

それでも、図面を何枚も描いてもらう前に「ここまでは無料ですか?」と一言聞いておきましょう。それだけで、あとで気まずくなりません。

私はどこに相談すればいい?

三つの道の分かれ道で家を選ぶ夫婦の後ろ姿
※画像はイメージです

「土地の条件」と「こだわりの強さ」の2つで、だいたい決まります。

土地は変形・狭い・傾斜? はい いいえ 設計事務所 間取りや素材に強いこだわり? はい いいえ 設計に強い 工務店 ハウス メーカー

図の結果に、次の補足を足して考えてください。

  • 「設計に強い工務店」に進んだけれど、こだわりがかなり強いあなた → 設計事務所も候補に入れる
  • 入居の期限が決まっている、打ち合わせの時間が少ないあなた → ハウスメーカー寄りに考えると無理がない

「素直な整形地に特別特殊な希望要望がない場合は、工務店でいいでしょう。」

Yahoo!知恵袋の回答(2024年11月)

個人的にも、この切り分けがいちばん実用的だと感じました。設計事務所の力がいちばん生きるのは、土地が難しいときです。素直な四角い土地なら、設計に強い工務店でも十分にこだわりを形にできます。

予算の感覚もつかんでおきましょう。フラット35利用者調査(2025年度)では、注文住宅の所要資金の平均は4,262万円。土地付き注文住宅だと5,313万円でした。設計料は、この中から出す計算になります。

設計事務所との最初の面談で、何を聞けばいい?

次の6つをメモして持っていけば、比べる材料はそろいます。

  • 設計料はどう計算していますか(工事費の何%か、国の基準か、事務所独自か)
  • 料金に含まれる業務と、別料金の業務の境目はどこですか
  • 確認申請の手続き代行や補助金の申請は、別料金ですか
  • 工事中、現場には何回くらい来てもらえますか
  • 構造の設計は事務所の中でしますか、外に頼みますか
  • 支払いは何回で、それぞれいつですか

確認申請は、家を建ててよいか役所などに確かめてもらう手続きです。その図面を作るのは、国の基準では標準の業務に入ります。

一方、手続きを施主に代わって行うのは追加の業務です。事務所によって扱いが分かれるので、聞いておく価値があります。

法律で決まっていること 中身
重要事項説明 契約の前に、建築士が書面を渡して説明する(建物の大きさに関係なく)
契約の書面 300㎡以下でも、契約したら書面を渡す決まりがある
免許証の提示 頼めば、建築士は免許証を見せる決まりがある

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設計の先生
設計の先生

重要事項説明の書面は、家に持ち帰って夫婦で読み返しておくといいですよ。業務の範囲がいちばん正確に書いてある紙です。

ちなみに「建築家」は資格の名前ではありません。国家資格は、一級建築士・二級建築士・木造建築士の3つです。

親の家を建て替えるなら、何が変わる?

建て替えでは、新築の費用に「解体」と「仮住まい」が加わります。

建て替えで増えやすいもの 確認しておくこと
解体工事 設計料の対象か、別の見積もりか
仮住まい・引っ越し 工事の期間に合わせて何か月分か
延床が300㎡を超える二世帯住宅 設計・監理の契約を書面で結ぶ決まりがある
平屋で200㎡以下 2025年4月からの区分で「新3号」になる

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国の略算の表は、新築用です。今の家を残して増築したり、大きく直したりする場合は、別の方法で設計料を計算します。

リフォームか建て替えかで迷っているなら、そのことを最初に伝えておきましょう。話がぐっと早く進みます。

よくある質問

Q. 設計料は国が決めているの?
決まってはいません。国の告示は報酬の「目安」で、事務所は独自の基準でも決められます。契約するときは、その基準に沿うよう努めることになっています。

Q. 設計事務所に頼むと、工務店に頼むより高くなる?
設計料が別にかかるぶん、見かけの金額は増えます。ただ、同じ図面で工事会社を比べて、工事費が下がることもあります。付帯工事・外構・諸費用・設計料を全部足した総額で比べてください。

Q. 「告示98号」で計算した見積もりをもらったけど大丈夫?
98号は2024年1月9日に廃止され、今は告示第8号です。業界団体も、契約書類の「告示第98号」を「告示第8号」に読み替えるよう案内しています。気になるときは、どの基準で計算したかを事務所に聞いてみましょう。

次にやること

  1. 自分の延床面積で、設計料の目安を出す。 上の表で、民間の目安(工事費の10〜15%)と国の式の両方を見ておく
  2. 分かれ道の図で、相談先を1つに絞る。 土地の形とこだわりの強さを、夫婦で話し合う
  3. 面談で聞く6つをスマホにメモして、1〜2か所に相談する。 設計料の算定根拠と、無料でどこまで見てもらえるかを確かめる

この記事のまとめ

  • 設計事務所の設計料は、民間の目安で工事費の10〜15%(3,000万円なら300〜450万円)
  • 今の国の基準は「令和6年国土交通省告示第8号」。国の式で計算した額は告示の区分で変わり、民間の目安より高く出る区分もある
  • 設計料だけでなく、工事費・付帯工事・外構・諸費用を足した総額で比べる
  • 土地が難しい・こだわりが強いなら設計事務所、窓口を1つにしたいなら工務店かハウスメーカー
  • 最初の面談では「設計料の算定根拠」と「料金に含まれる業務の範囲」を聞く

今日やることは1つだけです。分かれ道の図を夫婦で見て、相談先を1つ決めてください。そこが決まれば、営業の人と話すときも自分の物差しを持って臨めます。

出典